「僕が出ようか♠」
ヒソカだ
ケガをしたキシタに代わりショーに出るという
しかし、キシタの相方は簡単に言うヒソカが気に入らない様子
モリトニオがマジで言ってるのか、とたずねるとヒソカは完璧なジャグリングを披露する
「…手順は覚えた 何度も練習で見たしね♥」
悔しさに歯ぎしりをするキシタの相方(ヤスダ)だが
「…いいぜ 出ろよ」
押し殺すような声でそう言う
モリトニオの許可も出、ヒソカの出演が決定した
(観衆の前で恥かかせて その鼻っ面へし折ってやる)
控室で、左頬に涙、右頬に星と、ピエロの化粧をするヒソカ
バージャックプリンセスホテル
一座のショーが始まる
ジャグリングが始まった
ヒソカは完璧な再現をしている
(俺の12年…一体…)
ひどく落胆するヤスダ
(むかつくん…だよッ!!!!)
キシタとだけしか練習していない新技をヒソカに向けて放つ
驚いたように目を見開くヒソカ…
パシッ
反射神経だけで受け止めた
それどころか今はじめて見た技をそのまま返す
ヤスダは驚き、クラブを落としてしまう…
成功を収めたプリンセスホテルの公演後、ヤスダはひっそりと一座を抜け、二度と舞台に立つことはなかった
一座ではヒソカに技を盗まれまいと警戒し、隠れて練習するメンバーが増えた
ヒソカと並び練習風景を見ているモリトニオ
警戒なんてしなくても、ヒソカは興味を持っていないだろう、と言う
ヒソカは一つだけある、それはモリトニオの『空水泳』だと
「教えないよ いくら才能があってもこれは別だし」
「だよねぇ♥」
「関係があるんだろ?
そのうっすら流れている『なにか』と」
驚くモリトニオ、ヒソカにはオーラが見えていた
「『念』?」
本来オーラは誰しもに備わっている、ヒソカもそうだと言うモリトニオ
しかし、ヒソカは自分のは弱いと言う
鍛えているからだと答えるモリトニオ、そしてこのオーラを使いこなす者たちが”念能力者”だ、と
垂れ流しになっているオーラを身体に留める技術が『纏(てん)』
増幅させる技術が『練(れん)』だと言い、アキバに披露をさせる
アキバ「『練』!!!」
『練』は念能力を学習するための基本で、習得のためには『纏』を磨くことが不可欠
早くて一年、アキバのレベルに達するには三年かかる
ちなみにアキバは9ヶ月で『纏』を身につけた、と言うモリトニオ
ヒソカにも毎週の公演への出場を条件に、『念』の稽古をつけてやると付け加える
「オーケー♦」
そう答えるヒソカ、彼の纏うオーラがおおきくゆらいで見えた
「…団員はみんな念能力者なのかい?」
アキバにたずねるヒソカ
「ううん」
『念』を教えようとしたことはあったが、素質があったのはアキバだけらしい
モリトニオは元々ハンターを目指していた、と続ける
ヒソカはハンターのことは知らないようだ
ハンターとは、いろいろな財宝や秘境を探し求める職業で、「なにかを狩る人たち」のこと
モリトニオはハンター試験を受けたが、その年の合格者は1名のみだった
その試験の場で、自分よりもはるかに優れた才能を見て挫折してしまった
モリトニオが自分らに念を教えてくれるのは、才能がある人物を育てたいからだと思う
自分の夢はモリトニオの代わりにハンターになることだ、と言う
「…ば…
やば…」
モリトニオの様子がおかしい
椅子に座り、頭を抱え、身体は小刻みに震えている…
ヒソカがアキバに「なにを狩るんだい?」と尋ねるが、アキバは答えられない
その慌てる様子に「落ち着くよ」とバンジーガムを差し出すヒソカ
慌てていない、と言いい不満な顔でガムをふくらませるアキバ
「…ヒソカはどう?」
「『纏』の修行はうまくいきそう」
今度はアキバがヒソカにたずねる
「ああ」
「もう覚えたよ」
大きなオーラを纏うヒソカ
普段の様子に戻ったモリトニオ
膝をつくアキバ
モリトニオ(ほんの1週間で)
(『練』まで…)
と身震いする
ヒソカ「これで合ってる?
一年かからなかったけど♠」
モリトニオ「…次の段階に進もう」