「念には6つのタイプがある」
と説明を始めるモリトニオ
念能力には系統があり、念能力者には相性のいい系統がある
相性に近い系統の念能力は覚えやすく、遠いほど覚えにくい、と
ヒソカ「…で どうやってその能力を調べるの?」
意欲の高さにゾクゾクするモリトニオ
「これを使う」
「『水見式』といいます」
水にオーラを込め、その変化によって自分の資質を見分けるものらしい
モリトニオがコップに手を掲げオーラを流し込み
「…舐めてみ」
と差し出す
アキバ「…!?苦っ…!!」
水の味が変わるのは『変化系』の反応だそうだ
続いてアキバが水見式を試す
水の色が変わった
色が変わるのは放出系
ヒソカも水見式をする
…見た目には変化がないが
味が酸っぱくなっていた
ヒソカも変化系だ
日が暮れた街をアキバが一人で歩いている
「キャアア」
叫び声が響く
駆けるアキバ
見つけたのはのっぺりとした特徴の無い顔の人間と、
頭が押しつぶされようとしている被害者だった
アキバ(もしかして…
殺人鬼ジョン・ドゥ…!?)
アキバは念を込めた縄跳びをムチのように放つ…
避けられた
念を込めた攻撃は常人には防げない、アキバが未熟だとしても念を込めた縄跳びは鉄縄以上の力を持つ…
パシッ!!
ジョン・ドゥが素手で受け止めた!
アキバは腹に膝の反撃をもらい、血を吐く
(こいつも念を…!?)
(人を圧死させるのも能力によるもの…?)
ザン!!!
上空から現れたのはヒソカ
トランプでジョン・ドゥの左目を切り裂く
ヒソカ「散歩かい?楽しそうだね…♥」
左目からダラダラと血を流すジョン・ドゥだったが、ヒソカの次の攻撃をジャンプでかわすと、そのまま建物を登り逃げ去る
トランプを眺め考えこむヒソカ
アキバにたずねられると
「いや−−−
『嘘臭い感触』だったなーと♣」
ジョン・ドゥが現れたことは一座のメンバーにも伝えられた
モリトニオ「公演前だ 気をつけようね」
その様子を影から見つめるヒソカ
お風呂が空いたと告げられお風呂に入る
浴槽に鼻まで浸かり、念を込める
お風呂の水がネバネバになり、ごきげんな様子だ
数日後、ロイヤルグラムホテル
『ロイヤルグラムホテル公演』はグラムガスランド最大の規模を誇る
ここでの成功は世界的なエンターテイナーとしての成功を意味する
公演はガスランド最高権力者のグラム一族当主の面前で行われ、
彼からの拍手は最高の賛辞、すなわち、世界に認められるも同義…
モリトニオ一座のショーには惜しみない拍手が送られた
ショーの後、ごきげんな一座が打ち上げをしている
しかし、モリトニオとヒソカがいない
「やあ♠」
建物の高層、眺めのいい縁に腰を掛けるモリトニオにヒソカが声をかけた
モリトニオは一座のこれからの展望を考えていた、
ヒソカにはもっと大きな仕事を任せたい
そのためにお互いを知ろう、と
「君はあの日はぜ
あそこで倒れていたんだね」
過ぎたことをベラベラしゃべるのは好きじゃないと応えるヒソカ
明け透けに語り合おう、もちろん私のことも話すとモリトニオが言う
ヒソカが薄い笑みをともに口を開く
「…それじゃあ…
左目
調子はどうだい?
ジョン・ドゥ♣」
ジョン・ドゥがどうしたと取り合わないモリトニオだが
「”頬”が剥がれてるよ」
バッ!
ヒソカの言葉にあわてて頬を確認する
「やはりなにか貼ってたか…♥」
ひっかかってしまったとモリトニオが白状をする
昔から人の驚く顔が好きだった、よく家族に手品を見せていた、その顔が見たくて
「つい妹を殺しちゃってね」
だから別の方法で人を驚かそうと、ハンターか旅芸人になろうと思った
人間らしくなりたかった
しかしショーの後は昂(たか)ぶって、誰かを殺さないとおさまらない、と
どうする気かとモリトニオがヒソカにたずねると
なんだろうが興味はない、欲しかったカードも手に入れた、もうここにいる必要もないが
「人を驚かすのが好きなんだろ
僕を
驚かせてみてよ♥」