銃を突きつけられつつ、
護衛たちはクラピカから継承戦について聞いたようだ
信じられないと言うが、
鎖の前でクラピカの質問に答えていく
「今回の継承戦を知っていたか?」
知っていた、そう白状したのは護衛兵の2人
しかも彼らは、ワブル王子の味方でもなかった
銃を撃つよう命じるオイト王妃
しかし、生き延びるための情報を得ると
クラピカは2人を椅子に縛り付ける
白状した2人に加え、死んだ5人
合計7人がそれぞれ別の人間に仕えているという
クラピカは7という人数からすぐに意味を理解する
7はオイト王妃以外の王妃の数だ
カキンの王妃には護衛が付く
しかしそれは上位の王妃のスパイでもあった
もちろん護衛は本当の任務であるが
それは真に仕える王子に危害を加えない限り
という条件付き
現在最下位の王妃であるオイトには
このシステムさえ伝えられていなかった
しかし、捕らえられた2人は継承戦のことを半分疑っており
王妃や王子間の関係を改善するための荒療治だと思っていたと
そもそも真の依頼主からはワブル王子の暗殺などといった指令は出ていなかった
なぜなら、継承戦が始まったからといって、無法になったわけではない
王子殺しに恩赦も免罪も出ないからだ
彼は続けて
状況から見て継承戦が始まっていることは確か
しかし実行するのは王子たち本人だと
根拠は「壺中卵(こちゅうらん)の儀」ということ
あれは念能力を授かる儀式だという
それに反応したオイトが声を荒げるが、クラピカが制止する
もし、幼いワブル王子に能力が宿っていたとしたら
オイトの不安を自らの危険ととらえ
その不安をもたらしたクラピカたちに襲いかかる危険がある
だからできるだけ落ち着いてほしいと
クラピカは続けて
有力な説だがはっきりはしない
もしかしたらほかの王子の犯行かもしれない
加えて儀式がたった1ヶ月前と、
つい最近であったことにも疑問を持つ
念能力の取得からの期間が短すぎる
護衛の2人(継承戦を知らなかった方)は「寄生型」と推測
不意にクラピカは、捕らえた護衛の頭に生えた目のようなものに気が付く
見えていたのは継承選を知らなかったハンター3人とクラピカだけだ

出典:週刊少年ジャンプ2016年31号
気がつけば何体もの念獣が部屋に侵入している
その中のクマぬいぐるみのような1体が
「おヒマ?」
と、口ひげのハンターにたずねる
「いや…ヒマではない」
他のハンターたちは他の念獣に気を取られている
大量で混沌とした様子にクラピカは
誰かが制御してるようには思えないと判断
緊急放送で他のハンターに情報を求める
センリツからは異常なし
ビスケからは、“現在は”異常なし
そこからクラピカはこの念獣がビスケが護衛する
マラヤーム王子(第13王子の男の子)のものと判断
また、王子に自覚症状がないことも報告から読み取る
クラピカは他の護衛ハンターに「寄生型」についてたずねる
寄生型は呪いに近く
宿主オーラで発動させる
自覚症状がなく操作もできない
中には宿主を襲うものも
宿主が念を使えないことがより好都合
念の消費をただの疲労と捉えるからだ
他のハンターたちにとっては今判明した危険な任務のため
クラピカは降りるなら今降りてくれと言う
しかし危険度と任務は関係ないと反し
王妃と王子を守るために情報交換を持ちかけた
念獣は消えた
はずだったが、口ひげのハンターの肩には
さっきのクマのぬいぐるみ念獣がくっついていて、
「おヒマができたら教えて?」と問いかけてくる
ハンターの目的はビヨンドとの暗黒大陸探検だった
しかし護衛に手は抜かない
むしろクラピカの目的(ツェリードニヒとの接触)の方が問題だと
「安全」の解釈で意見の対立をしてしまう
クラピカは王子と王妃が継承戦の脅威から脱することが「安全」だと
しかし、ハンターは「それも可能」現時点で3つの方法があると言う
「キャアアアアアアアアアアアア」
女性が叫ぶ
叫びの元へ駆けつけると
縛られた2人が血を流しうなだれている
その前には血のついたナイフを持った口ひげのハンター(サイールド)が
「ヒ ヒマ…だった…から…
た 頼ま…れて…」
顔には大粒の汗を浮かべ、不安そうな表情でサイールドが応える
まだ止まらない
銃を構えるハンターに対し、生け捕りにしたいと言うクラピカ
「私が止める」