「どーしてダメなの!?」
そう迫るクラピカに対し、掟だからだと毅然とした態度の老人
クラピカは理由になっていない、
論理的でないと詰め寄るが、
老人は掟に理屈はいらんと一蹴
取り合う気もないらしい
相手にされない状況にじゃあ勝手にすると言うクラピカだが
「お前がそうしたければするがいい
だがお前が掟を破れば、
罰を受けるのはお残された家族だぞ?」
イラつくクラピカは罵る
「クソジジイ!!」
このやり取りはここ数日毎日続いているようだ
クラピカの目的は“外の世界”を見ることらしい
それが村の者には理解ができない
外の世界はサベツやヘンケンでよくないところ
ここ以上に素晴らしいところはないと思っている
また、大人になれば外の世界を見る許しもえられるようだ
(オレは外の世界を見たことがない
森の外に出ることは一番重い掟破りだからだ
掟を破るとどんな罰があるか知らない
誰も破ったことがないからだ)
クラピカを呼ぶ声がする
声の主はパイロ、クラピカと同い年くらいの少年だ
パイロは、あきらめたほうがいいんじゃないかと言うが
クラピカは絶対に今すぐ外の世界に行くと引かない、パイロだって行きたいだろと
パイロは「まーね」程度
自分は目も足もみんなより悪いから、家族に迷惑かけたくないからと、
行かなくてもいい理由を並べる
なぜこんな掟があるのかと悩むクラピカ、
悩むうちにダメダメばかりだと腹が立ってきた
クラピカの目が赤くなる
パイロ「目 赤いんじゃない?」
クラピカ「そりゃそーさ コーフンしてるもん!!」
何かを思い出したような表情のパイロが言う
「外の世界の人は違うんだって」
驚くクラピカに対して言葉を続ける
コーフンすると目が赤くなるのは自分たちクルタ族だけで
外から一族に入った人はそうではない
父親に掟がある理由をたずね、特別に教えてもらった
外の世界の人は自分たちと違う人をサベツしたりイジメたりする
だから秘密を守れる”大人”しか外には行けないと
パイロが目薬をさしながらそう言うと、既にクラピカは走りだしていた
クラピカ「また後でな!!」
森を駆け抜けるクラピカ
(128人の同胞と恵み豊かな美しい森
それがオレにとって世界の全てだった
一年前
シーラに合うまでは…)
森で若い女性が倒れている
見つけたのはクラピカとパイロだ
クラピカ「大丈夫?」
女性「み…ず」
クラピカたちにはその言葉が理解できない、
外の言葉は分からないらしい
のどが渇いていると水筒を指差す女性
理解できた、クラピカが水をくみに走る
シーラ「ふーありがと
生き返ったわ」
水を飲みすっかり元気になったシーラ
お礼にと本を差し出す
言葉が通じていないため本当にもらっていいのか
またもらったら外部の人間と接触したことがバレてしまうなど
いろいろと悩む2人だが
クラピカ「ここで待ってて!」
父親の辞書を取ってくると立ち上がる
(辞書を使ってのやり取りは彼女の足が完治するまで続いた
驚くことに彼女は治りかけるとまた転んでケガをいくども繰り返した
俺たちは彼女にほら穴(隠れ家)と食糧を提供し
オレ達に外の世界のことを教えてくれた)
本はハンターをしている主人公の冒険活劇
この女性がプロハンターを目指すきっかけとなった
クラピカとパイロは秘密の場所に本を隠し
辞書を片手に読みふけった
彼女の傷がいえ、旅に戻るという置き手紙を
2人は辞書無しで読めるようになっていた
その後も2人は本を読み続けた
読むたびに外の世界への思いは募った
「長老(ジイサマ)!!」
本をどこにやったと長老(物語の初めの老人)に詰め寄るクラピカ
長老「さぁな」
クラピカは大事な本だから返して欲しいとと言うが、
長老は大人になったらと応じない
現実の人間は本のように善人ばかりではないと理由を加えるが
長老が本を読んだことに気が付き
クラピカは感想が聞きたくてたまらない
長老はしばらく悩んで
「…うむ
いい本だ」
年甲斐もなく胸が踊ったという言葉に喜ぶクラピカ
長老はしょせん絵空事とたしなめるが
クラピカはその絵空事がオレに夢をくれた
それは間違っているかと問いただす
(…いや
必然じゃろうな…)
問題は現実の方と言いかけた長老を遮り
「『D(ディノ)・ハンター』のどこを読んだんだよ!!」
困難に負けちゃいけない
がんばって生きてみろ
この本はそう教えてくれている
「現実が本に負けてどうすんのさ!!」
クラピカは長老に外の世界に出るための試験を受けることを申し出る
もしそれで不合格なら2度と外の世界に行くなんて言わないと
根負けした形で長老は承諾する
猛勉強をしているクラピカ
試験は来週
クラピカの母親は賛成のようだ
“赤い瞳は悪魔の使い“は迷信で
そんなのに怯えてるのは一部の年寄りだけ
何よりもハラが立つのは、ケータイは長老のみ所有できるという点
そんな村の常識を壊して欲しいと
しかし父親は不安だと言う
クラピカは信じているが
信じられないのは外の世界の連中だと
結局長老達と同じだと言う母親
言い合いになる二人に対し
クラピカ「もーウルサイよ!!」