長老「準備はよいか?」
試験は3つ、全てクリアしてはじめて合格だ
第1のテストは語学試験、公用語をマスターしているかを試験する
90分制限90点以上で合格…
3分後
「出来た!」
100点だ、逆に問題のスペルミスを指摘する
試験官によると問題はかなり難しくしていたらしい
第2のテストは一般常識
むしろ試験官が知らない知識を披露するクラピカ
難なく合格
最後のテストは
自己抑制試験
外の世界に出る者はクルタ族の秘密を守らなければならない
クルタ族は感情が昂ぶった時に目が赤くなる
逆にそうなるのはクルタ族のみ
外の世界の者はそれを緋の目と呼びおそれた
そのためクルタ族は太古の昔から多くの誤解・偏見・差別・好奇の目にさらされ
血を流してきた
この悲劇を繰り返してはいけない
そのために人前での目の変色は避けねばならない
小瓶を取り出す長老
その小瓶には緋の目の赤を定着させる薬が入っている
効き目は24時間
薬は緋の目を抑えることを目的として作られた失敗作だった
試験内容はこの目薬をさして最寄りの街まで買い物に行くこと
外の世界にいけると喜ぶクラピカ
長老は合格の条件を続ける
条件は24時間以内に緋の目にならず無事買い物をして戻ってくることだと
さらにパートナーを1人
理由は万が一の連絡係として、
そして連帯責任を追うことで私憤を抑えやすくするためにつけると
パートナーが緋の目になったとしても失格になるため、慎重に選ぶようにと付け加える
クラピカはほんの少し考え
「パイロがいい!!」
驚くパイロ
理解が出来ないという表情の長老ら大人たち
買い物は一族の買い物で力仕事であることと、
連帯責任であることを再度クラピカに確認させようとするが
クラピカは、だからパイロがいいと
「パイロといっしょならどんな結果でも後悔しない!!」
諦めたようにうなだれ、勝手にしろという長老
「本当に…ボクでいいの?」
「バカ言うなパイロ」
「お前でなきゃダメなんだ!!
来てくれ!!
パイロ!!」
パイロは目薬のビンを受け取ろうとするが、落としてしまい棚の下へ
手を貸そうとするクラピカを静止する
「パートナーとして
一人で出来ることはちゃんと一人でするよ」
目薬を拾い、目にさす2人
大きな鳥のような生き物に2人で乗り出かけようとする
長老は、途中で緋の目になってしまったら中止して戻るように
サングラスやカラーコンタクトは気休めにしかならない、と伝える
クラピカを「大丈夫
絶対合格するもんね!!」
クラピカたちが乗る1羽と、もう2羽で出発した
森は薄暗い
目的地は真西のナンチャ市
2人の乗る鳥は地走鳥(ピコ)というらしい
地走鳥の足では行きは約6時間
帰りは荷物を考えると2倍
買い物は4.5時間
寝てるヒマがないと交代で寝ることに
まずはパイロが寝る
「パイロ
寝たの…?」
クラピカは寝ているパイロに向けて、声には出さないが語りかける
(お前は…その時のショックで覚えていないけど
お前の目と足が不自由なのは
オレのせいなんだ)
(ガケから落ちたオレを助けようとして…)
(オレは無傷で
お前は目と足を…)
パイロの目は日に日に悪くなっていた
クラピカは外の世界でパイロの目と足を治せる医者を探すつもりだ
(そしたら今度こそ期限付きじゃなく
思う存分2人で外の世界を見よう!!)
(いっしょだパイロ!!
これからもずっと!!
ずっとだ!!)